「はぁ…戻るか」

外で気持ちをお知佳せている間に
何人かのクラスメイトにあったから
きっと村ケンもその子たちと話しているだろう。



「おーい本田!!授業始まってるぞ??」
塾に入った途端数学の先生に声をかけられた。

「あ~すいませ~ん」


あたしは階段をダッシュで駆け上がった。


「はぁはあ…」
息を整えて。


ドアの取っ手に手をかける。

「すゥすゥ」

1…2の…3!!

ガラッ
「すいませ~ん!!遅れました~♪」

あたしは何もなかったかの様にふるまった。



「おそいですよ本田さん」
「いや~なんか親に呼ばれちゃって」
「もう~次は気を付けてくださいね?」
「は~い」


ほらね??

普通に過ごせる。


「ねぇ理紗ちゃん」
後ろから麻衣ちゃんに話しかけられた。

「何??」



真剣な目つきの麻衣ちゃんを見て
あたしはつばを飲み込む。


「村ケンのこと好き??」

小さい声だったけどはっきり聞こえた。


「え??」
図星だったのであたしは何て反応しようか迷った。


「好きなの??」
いつもよりも強い瞳。




「好きじゃないよ…好きなわけないじゃん」


あたしの意気地なし…。