プライド

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「花の運命に逆らうことなくそのバラはもう萎れてしまったけど、今も俺に与えてくれたプライドと共に俺の心の中で美しく咲き続けているんだ」
 
サイモンはそう言うと、グラスを持ち上げ美味そうに飲み干した。


「キミのプレイをまた見ることができて本当に嬉しいよ」
 
僕もグラスの中身を飲み干した。


「あんたには本当に感謝している。あんたがいなければとっくに引退していたのは言うまでもないよ」とサイモンは言った。「ひょっとしたらあのバラを落としたのはあんたじゃないのかい?」


「そうかもしれないな」
 
僕は笑ってそう答えた。

 
僕は次にサイモンと酒を飲む日が来ることを今から心待ちにしている。

それが彼の代表入りを祝う酒であればいいと心から願っている。
 

お互いもう一杯注文し受け取ると、僕たちはもう一度グラスを合わせた。


「プライドに」
 
僕はそう言って微笑んだ。


「ああ、プライドに」
 
サイモンも頷き微笑んだ。
 
最初のときよりも小気味良い音が響いた。


それはサイモンの未来を切り拓く希望の音だった。