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「ゲームセット」


「ナイスピッチング、大和」

チームメイトがベンチから飛び出て、グランドに集まる。


夏の甲子園準優勝、そしてたった今秋季大会も優勝し、二週間後に神宮で行われる全国大会に出場することが決まった。

イコール、春の甲子園出場もほぼ確定したということになる。


悠弥のいる応援席を見ると、みんな喜んでいる中、ただ一人…悠弥だけが悔しそうに唇を噛み締めていた。




帰り道、いつもなら自分のことのように喜ぶはずが、黙ったまま、ただオレの前を黙々と歩いている。


「何怒ってんだよ」

「怒ってないよ、別に」


明らかに怒ってるくせに………

「ただ……」