あいつは何も言わない。 アレを見なかった様に、いつも通り。 悔しい程、俺を見てない。 “あの人、あんたの彼女?” とか、小さな期待とかしてた俺って、本当に ――…馬鹿だ。 「そんなに好き?」 耳元で囁かれても、あいつじゃないと、心臓も高鳴らない。 「私を好きになってよ。」 すがられても、褪めた自分が居た。 キラキラしたあいつが好きで、可愛くて。 だから、 「俺を、汚してよ。」 もう、壊してよ。