殺し屋

「は?」
 足を止め優秀な狙撃手が居るであろう場所をみる。
「いや、見た目からしてまだ若いだろ?」
「質問の意図が分からないな。あれか? 若いのなら普通の職に就いていればいいのに。そういう事か?」
「そうだ。どうして?」
「俺は金目的で商売をしているんじゃないと言えば嘘になるが、俺は金目的だけで殺し屋になったんじゃない」
「じゃあ、どうして?」
 ……コイツ、自分のことは話さないくせしてしつこい。
「復讐だよ」
「復讐? ……なるほど、そういう訳か」
 納得したような口調。それから暫くしてもイヤホンから声は聞こえてこなかった。
「それ以上は聞かないのか?」