殺し屋

「助かったぜ……狙撃手さん」
 片息をつきながら、その場にぐしゃりと座り込む。
 全身のあちらこちらが悲鳴をあげていた。
「全く、見てられなかったぜ。アンタ、弱いな」
 ケラケラと笑い声が聞こえる。
「まさか……これ程とはな」
 『トゥディ』の腹から、ナイフを抜く。直後、傷口から血が溢れだした。
「『トゥディ』と言えば、なかなか有名な殺し屋だ。裏は勿論、表にも、な」
「表の世界で有名になって、利点なんてあるのかい?」 
「さあ、な。まあしかし、強力な殺し屋を殺したアンタは強いって事だな」
「七割近く、アンタのお陰だがな」