【小春ー9】


「春!
今日は飲みに行こう!」





唐突に切り出したララ。





働きもしない人が
よくそんな事言えます。





「先輩!!

ウチにお金が
ないんですから
駄目ですよ!!」





「何言ってんのよ
今日はアタシのおごりよ」





何か裏がありそうだ…





この前も
私の下着を持ち出して
それで勘定した人だ。
(実話)





今回も
よからぬ事だろう。





疑いの目で
見つめていると、

ララはちゃんとお金を
見せた。




「ほら、ちゃんと
あるでしょ?

いいから
断る権利はないわ。
行くわよ」




半ば強引に
連れて行かれる小春。




お金あるなら
いいんだけど、

私の予定は…?




飲み屋に着くと
早速先輩は注文をした。




「酒4つに、
鯛の尾頭付きね。

あと卵汁に味噌漬け物。

山菜も頂こうかしら?

ジャンジャン
持ってきて!」




それを聞いて小春は
ブッとふいた。




「ちょっ!
先輩お金
足りるんですか…!」




耳元で
コソコソ言う小春に対し
ララはドーンと
お金を出した。




ジャラジャラ!!




並べられた
大量の銭……




「ちょ…!先輩…
どうしたんですか?
こんなにたくさんのお金!」




小春は
ララの持ってきた銭に
戸惑いを隠せない。




何か悪い事
やってきたんじゃないか
この人?




「これはちゃんと
働いたお金よ!!

細かい事はいいから
今日は飲むわよ~!」




こうしてララは
バナナで稼いだ金を
ありったけの酒に
つぎ込んだ。




何杯か飲んだその後…




「うえええ…」




近くの塀で吐いている
ララ。




オッサンじゃないですか