【小春ー8】
近所の人がサンマを焼き
煙臭くて
家を出てきたの与助は
町を歩いている
「はあ…
ん…?」
何やら向こうに
人だかりが出来ている。
何だろうと思い
与助は近付いてみると、
そこには
女の子が声を上げて
商売をしているではないか。
「さあさあ
おたちあいだ!おたちあい!
ここにあるバナナは
普通のバナナとは
少し違うバナナで
ございます!
遥か遠くの地の南蛮より
譲り受けた甘き果物!
皆さんも
一度は食べたことが
あるかと思うが、
同じにされたら困りやす!
こちらのバナナ
甘み・食感・香りが
100点の
スペシャルバナナで
ありまして、
皆さんが一生に一度
食べられるかどうかの
バナナでございます!
江戸より遥か遥~か遠く、
雪国信濃の国より
更に更に寒い山を越えて
ようやく辿り着いた
楽園のバナナの木。
そこで朝から晩まで
飽きることなく
ポカポカ太陽当てられて
やっとの思いで熟した
このバナナ!
それを南蛮の者より
運ばれて、
あれよあれよと言う間に
たどり着いた黄金の国
ジパング!!
鮮度を落とさず
取れたて同様
新鮮にし上げた
このバナナ!!
普通なら
高くて買えないとこ
今日は五文で売るよ!
さあバナナ
バナナはいらんかね!」
ずい分口のうまい子…
商品が
あっという間に
なくなっていく。
「ホントうまそうだな…
買っちゃうか」
そう言い、
お金を台の上に出し、
置いてあった
バナナを取ると
与助は急いで帰った。
「あ、お客さん!
お釣りお釣り!」
間違えて多く出したのに
気付かず、
与助はすでに消えていた。
しかも、
持ち帰ったのは
店のサンプル品である
実が入っていないバナナ。
その夜…
「シクシク…」
今宵も与助の泣き声が
響き渡った
近所の人がサンマを焼き
煙臭くて
家を出てきたの与助は
町を歩いている
「はあ…
ん…?」
何やら向こうに
人だかりが出来ている。
何だろうと思い
与助は近付いてみると、
そこには
女の子が声を上げて
商売をしているではないか。
「さあさあ
おたちあいだ!おたちあい!
ここにあるバナナは
普通のバナナとは
少し違うバナナで
ございます!
遥か遠くの地の南蛮より
譲り受けた甘き果物!
皆さんも
一度は食べたことが
あるかと思うが、
同じにされたら困りやす!
こちらのバナナ
甘み・食感・香りが
100点の
スペシャルバナナで
ありまして、
皆さんが一生に一度
食べられるかどうかの
バナナでございます!
江戸より遥か遥~か遠く、
雪国信濃の国より
更に更に寒い山を越えて
ようやく辿り着いた
楽園のバナナの木。
そこで朝から晩まで
飽きることなく
ポカポカ太陽当てられて
やっとの思いで熟した
このバナナ!
それを南蛮の者より
運ばれて、
あれよあれよと言う間に
たどり着いた黄金の国
ジパング!!
鮮度を落とさず
取れたて同様
新鮮にし上げた
このバナナ!!
普通なら
高くて買えないとこ
今日は五文で売るよ!
さあバナナ
バナナはいらんかね!」
ずい分口のうまい子…
商品が
あっという間に
なくなっていく。
「ホントうまそうだな…
買っちゃうか」
そう言い、
お金を台の上に出し、
置いてあった
バナナを取ると
与助は急いで帰った。
「あ、お客さん!
お釣りお釣り!」
間違えて多く出したのに
気付かず、
与助はすでに消えていた。
しかも、
持ち帰ったのは
店のサンプル品である
実が入っていないバナナ。
その夜…
「シクシク…」
今宵も与助の泣き声が
響き渡った



