【小春ー7】
シクシク…
長屋にこだまする
すすり泣き声。
それは、
元・ララの
隣の住人である
男の泣き声であった。
この男、
実はとんでもなく
運がない男で、
生まれてこのかた
富くじにも
当たったことなければ、
おみくじも凶しか
引いたことがない。
名は与助。
分かりやすく
悲しみの与助と呼ぼうか
現に与助は
そう呼ばれてる程の
運の悪さ。
過去の例をあげると、
目の前で
100名様ご来店を
逃したり、
荷物を送れば
違うとこに行き着くし、
道を歩けば犬に噛まれ、
石で転ければ
打ち所悪くて骨折、
丁か半かの
博打をはれば見事
ま逆になり、
たまごを買えば
中は腐ってたり、
ヒドい時は
「父の敵!」と
間違えられ
刺されそうになった位の
レベルだ。
そんな彼のすすり泣きは
今日もよく聞こえる。
ララの部屋が
火事になった時、
放水された水が
自分の部屋まで及び
床がビショビショな上、
壁が若干焼けて
隙間風がビュービュー
吹いている。
「うう…さみい……」
そう言って火を起こす為
石をカチカチしたら
破片が飛んで
鼻に刺さっちゃった
シクシク…
長屋にこだまする
すすり泣き声。
それは、
元・ララの
隣の住人である
男の泣き声であった。
この男、
実はとんでもなく
運がない男で、
生まれてこのかた
富くじにも
当たったことなければ、
おみくじも凶しか
引いたことがない。
名は与助。
分かりやすく
悲しみの与助と呼ぼうか
現に与助は
そう呼ばれてる程の
運の悪さ。
過去の例をあげると、
目の前で
100名様ご来店を
逃したり、
荷物を送れば
違うとこに行き着くし、
道を歩けば犬に噛まれ、
石で転ければ
打ち所悪くて骨折、
丁か半かの
博打をはれば見事
ま逆になり、
たまごを買えば
中は腐ってたり、
ヒドい時は
「父の敵!」と
間違えられ
刺されそうになった位の
レベルだ。
そんな彼のすすり泣きは
今日もよく聞こえる。
ララの部屋が
火事になった時、
放水された水が
自分の部屋まで及び
床がビショビショな上、
壁が若干焼けて
隙間風がビュービュー
吹いている。
「うう…さみい……」
そう言って火を起こす為
石をカチカチしたら
破片が飛んで
鼻に刺さっちゃった



