【小春ー6】


「やる気がないわ」




いきなりこの人は
何を言う…




「どうしたんですか
先輩また…」




「んん。
仕事がやる気ないわ。

お外に
歓迎されてないもの」




最近降り続きの大雪の為

ララは布団に
くるまっている。




「先輩!
いい加減にしてください!

私のドテラ貸しますから
働いてください!」




無理やり
春にドテラを着せられ
外に追い出されたララ。




仕方ない…

今日は手っ取り早く稼いで、
早く帰ろう。




「ドーンと稼げば
しばらく外出なくて
いいのね…

仕方ないアレやるか…」




そう言って
1人向かった先は、
いかにも怪しいと思う
路地の奥にある
小さな小屋。




その障子を開け、
そこから
『ある物』を調達した。




それを風呂敷に入れ、
街の中心部まで
持ち歩いて行く。




パサァ……




なからの場所で
風呂敷を広げると、
ララは口を軽く手で
ほぐし始めた。




風呂敷から
顔を覗かせたのは
バナナ。


全部が全部バナナである




「よし、やるか」




そう言って
一緒に持ってきた
ハリセンを強く握ると、
大声を張り上げた。




「さあ
寄ってらっしゃい
見てらっしゃい!!

これから凄い物が
見られるよ!!」




そう客を呼び寄せ、
ララはバンバンと
ハリセンで
アピールをした!




そして…




数十分後、
残ったのは完売した
バナナの立て札と、
大量の銭…




ララは何をやらせても
商売上手。




本当なら
これで一生食っていける
素質があるが、

だらけ癖の為
それには至らないのだ




「さて、帰って
独り身の春に、

男の代わりに売れ残った
バナナでもあげるかな」




あと変態だった為である