【小春ー5】


「米がないわ」




急にそう言う先輩。




ないものはありません。




「当然です!
先輩が食い散らかしてる
んですから!」




「そんな人をだらしない
子供みたいに
言わないでよ春」




いいえ、
だらしない子供だと
思います。




ともかく
経済はなかなか厳しい
状況。




何としてもでも
食料を確保しなきゃ
いけない。




「はあ…

今日はご飯無しか…」




小春がそう嘆いていると
先輩は急に賭を提供した




「春ぅ~~
一つゲームしない?
ここから一歩も動かず
食料ゲットしたら、
あたしの言う事を
何でも聞くってのはどう?」




この人はいきなり何を…




「はいはい。
いいですよ。

その代わり出来なきゃ
働いてくださいね」




小春は
ララの言う事など
適当に聞き流すように
答えた。




すると、
先輩は座ったまま
壁をドンドンと叩いた。




古いんですから
止めてください。




ガラ…!




急に開いた
小春の部屋の障子。




誰かと思って見たら、
それはホモの川田さん。




「あ~~ら
何か呼んだかしら?
うふ!」




来といて
呼んだかしらって…




だけど、
先輩は普通に話をし始めた。




「ホモ川~
悪いけど
米くんない?」




「いやん、
ホモ川じゃなくて
堀川よ。

ララちゃん間違えないで」




いや、
堀川じゃなく川田だろ
お前…




「お米ね?
いいわよあげるわ。
食べて元気出してね
ウフ」




そう言って川田は
米を取りに部屋まで戻った。




「はいアタシの勝ち~」




まさか…

さっきのドンドンって
壁叩いたのはこの為に…




人んちの壁で
勝手に手懐けないで
ください