【ララー24】

「んで、
今日はどうして1人で
飲んでたの?」




すると秀吉は
貫禄ある風格で答えた。




「…ワシは昔
イタズラっ子でな…
よく『サル』と
呼ばれていた。

見事誰にも見つからず
ここまで来るという
イタズラを
楽しんでいたのだよ」




さ、最高のイタズラだ…




あの城から
抜け出したなんて…




「へ~!
そんなデカいとこって
もしかしてお金持ち?

あたしらに出会ったのも
運命だ!さあ飲もう!」




「ふっ…そうだな。
こうして仲良く飲むのも
楽しいぞ」




しばらく
ララとの会話が弾み
時間が経つと、
秀吉はフードを被った。




「さて…
ワシはもう帰るかな

騒ぎになってる頃かも
しれぬ」




するとララは立ち上がり
老人を労るように
手を差し出した。




優しいと春は思ったら
とんでもない事をぬかした。




「おサルのおじいさん
金持ちなら
ここおごってよ★」




うぉぉぉぉぉい!!!


天下の豊臣秀吉に
たかるな!!!!!




いくら知らないとは言え
その度胸に秀吉は笑った




「ふ…威勢が良い。
構わんぞ」




これ以上ご無礼は
命に関わる!




春は秀吉に頭を下げると
ララをひいて
店を出て慌てて
帰ろうとした。



「待て。
土産をやろう」



秀吉に引き止められ、
2人は何かを手渡された。



「こ、これは
何でござりまするか?」



「春~何変な言葉
使ってるのよ~

どれどれ?ん?種?」



渡されたのは
小さな種がたくさん。



「それは花の種だ…

平和で
よい世界が続くと
願いを込めた種だ…」



何て良いことを言う…



「悪いわねじいちゃん。

ありがたくもらうわ
じゃあ!」



先輩はブンブンと
手を振り
秀吉を見送った…




次回・春うララ最終回!