【ララー2】

おな~り~

おなり!




町中に響き渡る声。




名のある大名が進行し、
皆が地面に正座し
頭を下げていると、

宿屋からフラフラと
人が出てきた。




それは
スケベの弥吉の姿。



「ウハハ~♪どこだ~?」




目隠しをして
さ迷う弥吉。




昼間から酒を飲み。
部屋で女と
目隠し鬼ごっこを
していたのだ。




追いかけてる内に
気付かず外まで来た弥吉




そのままフラフラと
大名のとこへ近付いた。




みんなあまりの風景に
何も言えず、
息を飲んだ。




(ん?
オナゴの気配がする…

そこか!)




ガバッと抱きつくと
確かに女の感触。


しかし…




「きゃああああぁ!!!」




抱きつかれたのは
なんと大名の奥君様。




それを見た大名は
目をひんむりかえした。




「こ、こ、この
無礼物!!!!」




その声に目隠しを取る
弥吉。




そして、
即座に状況を理解した。




「ひっ捕らえよ!!!」




流石に
酔いは一気に覚めた。




捕まれば
打ち首獄門。




逃げるしかない。




ダアアアァァ!!!!




慌ててその場から
逃げた!





手下共は追いかけてくる
ものの、
飛脚の足の速さには
叶わない。

(しかも逃げる必死だし)




とにかく今日は
本当に壮絶な事件を
目の当たりにした。



そして次の日…




スッタカスッタカタ…




飛脚の足音が聞こえた。




だがそれは、
違う飛脚の足音だった。




「公開公開~~!
昨日の事件だよ~!」




その瓦版には
お尋ね者弥吉を
見つけろの文字…




弥吉は
「スケベの弥吉」から

「お尋ね者の弥吉」へ
昇格した