【小春ー2】



時代は江戸時代のこと…





綺麗な桜の木が立ち並ぶ
一つの大きな城下町。





そんな
大きな町並みの外れに
ボロくさい長屋が一軒
佇んでいた。





そこには
多種多様の者達が
住み着き、

春は個性豊かな人達と
暮らしていた。





春は春と呼ばれているが
正式には小春と言う名前


みんなからは
親しみも込められて
春と呼ばれているのだ。





「ふふーん♪」





鼻歌を歌いながら
城下町を散歩していると
何やら自分の長屋の方が
騒がしい。





「あれは……?」





小春がデコに手を当て
遠くを見ると、
火消し隊のメンバーが
居ることに気付いた。





あの
独特の火消し棒を掲げ
大騒ぎしている。





するとそこに
飛脚の男が走ってきた。





「火事だ火事だ!!
長屋が火事だ!!!

みんな水持て槍持て
てーへんだぁ!!!」





長屋が火事?




慌てて小春は走り出し、
長屋の前まで来た。





ショオオオオ…





火は見当たらない。

消火された音が
周りに響いている。





大した火事ではないが、
長屋の一部の部屋が
燃えてしまった。





「あそこは…先輩の…」





どうやら燃えたのは
ララの部屋だけ。


本人は無事だったから
良いものの、
目の前にいるララに
声がかけられない。





「あ」





ララは春に気付くと、
こちらにパタパタと来た





(うわ…こっち来る。
何て慰めればいいんだろ…)





するとララは
急に高笑いをした。





「いや~
春いいとこに!!

今日からアンタのとこ
世話になるわ!
ヨロシク!」





え………?





と、言うことで

今日から
ララとの同棲生活が
無理やり始まった