【小春ー18】


今日はいつにも増して、
先輩はニマ~っと
している。





こんな時の先輩は、

私をからかうか
何か企んでるかの
どちらかだ。





「春~。
ちょっとこっちおいで」





「嫌です先輩。
断ります」





「お~~よしよし。
チッチッチッ」





私を
犬と同じにしないで
ください。





でも抵抗する春は
犬の様に見えた。





「違うのよ春
これよこれ。

このお饅頭がうまいのよ

食べない?」





ララの手に持つ饅頭。

異様なオーラが出てる
気がする。





「美味しいなら
先輩食べてください!」





子供から
美味しい物を
横撮りするような先輩が

わざわざ
一つしかない
美味な饅頭を
私にくれるハズはない。





「だ♪か♪ら♪

美味しい饅頭
一個しかないから
あげるんじゃないの~。

ほーら食べたいでしょ?」





ますます怪しい。





「いいです!
私にはこっちで十分です!」





小春は
テーブルに
置かれてある饅頭を
ハグハグと食べ始めた。





すると…





「うっ…!」





突然春はお腹を抑え
倒れてしまった。




「こ、これは…」




か、体が痺れて…?




見上げると先輩が
手に持っていた饅頭を
美味しそうに食っていた




「アッハッハ!
馬鹿ねえ春は!

それは痺れ薬入り饅頭よ」




やられた…!




そっちの饅頭は
フェイントか!




「さすが効いてるわね~
痺れ薬。

二両した価値はあるわ」




大金はたいてまで
いじめる気ですか
アナタは。




「春の性格は分かるわ。

予想通り
そっちに仕掛けておいて
良かったわ」




そんな凝ってまで
私を騙さないでください