【小春ー17】


今日も外は寒いので、
早めに家に帰るララ。



「ただいま~…
って誰?」



すると、
見知らぬ男が
春とお茶を飲んでいた。



ララに気付くと
小春は飛びついた。



「先輩!
凄いんですよ!この人!

この石を
5人に売るだけで
お金が入るんですって!

後は何もしないでも
どんどん金が入る
仕組みなの!」



キラキラ目を輝かせ、
力説をしてる。



それを聞いたララは
ズカズカと家に入り、
商人を手で払った。



「あ~~はいはい
分かった分かった。

分かったから
帰ってくんない?」



すると小春はせっかくの
チャンスを棒に降るのを
嫌がった。



商人も
もちろん同じ意見だ。



「今この場限りでして、
もちろん…」



「うるさいわね。
消えな」



商人の喋ってる途中にも
関わらず
台所から包丁を突き出す
ララ。



「うぁぁ!
失礼しました~!!」



慌てて逃げる商人。


ああ…
せっかくの儲け話が…



「春~あんなのに
捕まっちゃダメよ。

馬鹿もいいとこね」



これには
流石の小春も反抗。



「馬鹿じゃないです!
説明もしっかり
聞いたんですから!」




そう言うと、
何やら長屋の外が騒がしい。




「捕まえたぞ!
この江戸で詐欺をしてる
権兵衛だな!観念しろ!」




窓から
チラリと見えたのは、
お役人と先ほどの商人が
縄をくくられ歩いていた




「…えっーとですね!
とにかく~…」




小春は見ないフリして
反抗を続ける。




ポン…




ララは小春の肩に
静かに手を置いた。




「春。
この間言ってた
ウチらの家の役割分担。

あんたが
掃除・洗濯・料理ね。

私はお花の水くれよ」




ニッコリと笑顔で
言われた小春。




…もちろん
断れませんでした