春うララ~時代劇編~

【小春ー12】



「フ…
余の顔を見忘れたか!」





今日は前に引き続いて、
暴れん坊将軍ごっこ
らしいです。





これはララが発案した
大暴れの将軍様を
イメージした架空の
将軍ごっこ。





こんな
将軍いるわけないのに…




まあ今回は
町中をはずれて
竹やぶに来てるから
幾分恥ずかしさはない。





「先輩…
じゃなく将軍様。

それは一体?」





お腰につけた
きびだんご~♪

じゃないけど、
腰につけた筒が
気になった。




刀に似てるけど
中身は竹で作った
刀だろう。





「ん…これ?
もちろん刀よ」





スウ…






抜いた刀からは
眩い光が生じていた。





…ほ、本物?





「先輩!
何ですかコレ!!」





「コレ?名刀タキチよ」






「そんな事は
聞いていません!!
本物じゃないですか!

しかも名刀だなんて…」





どこの繋がりがあるんだ
この人は。





「いいじゃないの春。

この為に
貸してくれただけだから
気にしないの」





と言うか、
こんな事の為に貸す人も
馬鹿だ…





ララは試しに本物を刀を
振り回した。





すると
ズズっと竹がずれ、
見事に切り伏せた。




切れ味抜群。

ララの腕前と言うより
刀の良さだろう。




「この狼藉者!!
えいや!」




ララは敵に見立てて
竹の一部を蹴り上げた。




遠くに飛んでく竹。




「あ!先輩!
もう誰かに当たったら
どうするんですか!」




「心配症ね春は~

たった一回蹴っただけで
当たるなんて運の悪い人
いないわよ~」




その頃…




タケノコ狩りにでも
来たのだろうか?




余助が顔面を抑えながら
倒れていた…