春うララ~時代劇編~

【小春ー11】



「カッカッカッ!
春さん準備はいいかな?」






綿でヒゲを作ったララは
小春にそう投げかけた。






「はい……先輩…」




「違うじゃろ!
黄門様じゃろ!

全く春さんは
ボケておるのう」





「はい…
スミマセン…」





今日はララの考案で
1日水戸黄門ごっこを
すると言う話だ。





先日行われた
一歩も動かず食料調達の
賭に負けた春は、
飼われた豚のように
おとなしく
言う事を聞いているのだ





にしても、
水戸の御老巧様の
マネをするなんて…




恥ずかしい。





「ム……事件ですぞ!
春さん!!」





見ると宿屋の前で
何やらケンカをしている





この人…

まさか本気で
止める気じゃ…





「そこの者達やい。
ケンカはやめなされ。
何が原因かな?」





ララはそう言うが
そんなんで
止むハズはない。





「んだテメエは!
すっこんでろ!!」




その乱暴な口ぶりに
ララは若干頭にきた。





「生意気ね!
控えおろー!!!」




この人、
いきなり印籠出したよ…





って本物持ってる
わけないよな?






すると、
それを見た男二人は
真っ青な顔をした。





「うっ!
あれって…」




「うわあ、近付くな!」





……退いたよ…





一体何見せたんだろ?





見ると布にくるまれて
茶色い物が見えていた。





まさかアレ…




「先輩…それ…」





「ああ、さっき拾った
犬のフンよ。

こうすれば
誰もが逃げると思って。

一軒落着ね!」





とゆうか、
そのくるんでる布
アタシんのです…