ああ。
空はこんなに澄んでいるのに。

爽やかな朝が来たというのに。

はあ…!

大きな溜め息しか出てこない。
それもこれも…っ!!

「匡さぁん!おはよう!」

爽やかに走ってくるのは、変態外人…もとい、カイン・ラスベルト。


オレ、鷹ノ宮 匡はれっきとした男だっつうのに、口説きに毎日現れるのだ。
溜め息もつきたくなるっうの!

「で?」

「うん!今日はね、限定モノの時計持ってきた!!」

見せてきたのは、今オレがハマッているブランドの限定腕時計。

ごくり。

―欲しい…っ!すっげぇ、欲しい!!が………


「いらん!どうせ、見返りに『付き合え』だの『キスして』だの言う気だろうが!」

「…ちっ!」

ちっ、て何だよ!やっぱり、そういうつもりだったな!

「バレてやがったか…。くそっ」

………カインさん。マフィアの顔が出てますよ…。