「でも、何度もお邪魔していいのかなって」


「俺の家は人気もないし、いつでも来て大丈夫だよ。自分の家とおもってくつろいでくれても構わないって。中学のとき、佳織や稜もよく遊びに来ていたくらいだから」


「でも」


 わたしとその二人ではまったく違うと思ったとき、先輩がわたしの頬に軽く触れた。


「君も同じ。愛理だって気をつかって誘わないだけで、実はそう思っているみたいだよ」


「本当に?」




 意外な言葉に彼はうなずいて返す。


「行こうか」


 歩き出した彼の後を追う。


 彼の言葉は嬉しかった。でも、どこかでそのことを素直に受け取れなかったのだ。