一緒に学校から帰っても、わたしの知らない約束が何度も交わされ、その結果報告だけが毎度される。そして今みたいな反応をうかがうような目でわたしを見てくる。


 そのわたしの予感は当たっていた。



 クラスメイトが卒業式の後、教えてくれた。


 そのうちの一人がわたしが性格悪くて付き合いきれないと言い、あることないこと触れ回っていた、と。


 表だって喧嘩したわけでもなかった。だが、よく分からない間にそんな扱いを受けるようになっていたのだ。



「咲」


 真由がわたしの顔を覗き込む。


 わたしは思わず身を仰け反らせ、彼女を見た。


 彼女は自分のスケッチブックを指さした。


「今から美術だよ。行こう」


「ごめん」


 慌てて準備をすると、立ち上がる。


 すでに真由の席には愛理の姿があったのだ。