明るくて、まぶしいくらいある。


 普通の家族ってこんな感じなんだろうか。


 他人でしかない私が家族を感じていることがおこがましいけれど。


 ただ、安息を覚えた経験は久しくなかった気がした。


「そうだ」


 愛理はあっという間にケーキを平らげると立ち上がる。私を見て目を細めた。


「咲にプレゼントがあるんだ」


 一瞬、真由との話を知っているのではないかと思うが、彼女はあっという間に部屋を出て行った。


 いつの間にか依田先輩と二人になってしまったことに気付き、わたしは目の前のケーキに集中することにした。


「やっぱり友達がいると楽しいんだろうね」


 笑いをこらえた声に顔を上げると、彼は一切れのケーキを口に運んだところだった。それを噛むと、ティーカップに手を伸ばす。