私を見透かしたような言葉のせいか、彼の優しい瞳が淡い夕日に滲んで見えた。


「苦手だと思います。子供のときから一人でいたほうが楽でした」


 なぜ私は今まで誰にも吐露したことのない自分の気持ちを彼に言っているんだろう。


 その理由もわからなかったが、口から飛び出す言葉を抑えることができなかった。


 こぼさないと決めた涙が私の視界を覆い隠す。


「今もそう?」


 心配そうな顔をする西原先輩の言葉に首を横に振る。


「そうだけど、愛理と真由といるときだけはすごく楽しいです。私の話を聞いてくれるし、無理に私のことを聞いたりしようとしないし、面白がって無責任なことを言ったりしない。それは私だけかもしれないですが」


 先輩が愛理や真由と親しいからついた嘘ではなく、本心から思った言葉だった。


 二人の第一印象は決して悪いほうには傾かなかったのだ。