「咲もさっきの人とうまくいったら教えてね」


 友人の言葉を笑顔で返し、家に帰ることになった。



 家に帰ると、母親が台所にいた。声をかけ、自分の部屋に行く。


 ベッドに座ると枕をそっと抱き寄せた。


 カバンからメールの音楽が聞こえる。


 思わず携帯を取ると、そこには愛理の名前が記されていた。依田先輩から途中で別れたことをきいたらしく、わたしが無事に家に帰ったか気にかけるものだった。


 笑みをこぼし、返事を送るとその場に横になった。少し迷ったが依田先輩にもお礼を加えて送っておいた。


 学校が好きでないどころか、人と関わるのが苦手な私が嫌気もなく学校に行けるのは愛理や真由、依田先輩の存在があったからかもしれない。