私は二人に頭を下げる。
「すみません。私はここで。真由とは方向が逆なので。また、明日ね」
そう言い残して足早にその場を去ることにした。
少し離れたところで、足を止める。
別に走る必要がないと途中で気付いたのだ。
もうあたりには同じ学校の生徒の姿は見かけなくなっていた。
私は家に帰ると、玄関の鍵を開ける。まだ母親は家にいなかった。
入学式に出た後、買い物でも行っているのかもしれない。
手を洗い戻ってきたとき玄関の扉があく。姉と母親がそこに立っていた。
「もう帰っていたの?」
一瞬ドキッとしたが、機嫌のよさそうな笑顔を見てほっと息を吐く。
「うん。今日は早かったから」
軽く言葉を交わすと、部屋に戻ることにした。部屋に入ると、ほっとソファに座る。
何気なく天を仰ぐ。
「友達になれたのかな」
友達になろうといってなることなんて少なくて、自然となっていくことくらい分かっている。
けれど、私にとってその漢字に表せば二文字の言葉がすごく重いものだった。
「すみません。私はここで。真由とは方向が逆なので。また、明日ね」
そう言い残して足早にその場を去ることにした。
少し離れたところで、足を止める。
別に走る必要がないと途中で気付いたのだ。
もうあたりには同じ学校の生徒の姿は見かけなくなっていた。
私は家に帰ると、玄関の鍵を開ける。まだ母親は家にいなかった。
入学式に出た後、買い物でも行っているのかもしれない。
手を洗い戻ってきたとき玄関の扉があく。姉と母親がそこに立っていた。
「もう帰っていたの?」
一瞬ドキッとしたが、機嫌のよさそうな笑顔を見てほっと息を吐く。
「うん。今日は早かったから」
軽く言葉を交わすと、部屋に戻ることにした。部屋に入ると、ほっとソファに座る。
何気なく天を仰ぐ。
「友達になれたのかな」
友達になろうといってなることなんて少なくて、自然となっていくことくらい分かっている。
けれど、私にとってその漢字に表せば二文字の言葉がすごく重いものだった。



