トントントンッ 軽やかに階段を降りる音が聞こえた。 それで何故か私は、思わず部屋の戸を開けて飛び出していた。 何でかは、わからないけど。 けど、部屋を出て廊下を曲がった瞬間 黒い何かにぶつかった。 「わ…っ」 ぶつかった反動で後ろにしりもちをつきそうになるが、 素早く力強い何かに支えられる。 「ばぁか。」 隼人だった。 悪ガキっぽいけどどこか憎めない、ほんのり優しさが影を潜める柔らかい笑顔で そこにいた。