【上に立つべき人間-3】






「ソイツ…
有名な詐欺師ですよ!」






「何だと!私が?
どんな証拠があるんだ?

公務員ごときが、
いい加減な事言うな!」






絶対的自信がある
金丸は、
警察官に食いかかる。






すると、
警察官がダンボールを
ドサッと机に置いた。






………?

こいつは?






その中身を取り出し
机に並べると、
金丸はみるみるうちに
顔が青くなった。






それは、
金丸が過去に行った
詐欺のデータ。

相手の会社概要。

様々な違法取引データ。

消し去ったハズの、
世間に漏れてはいけない
確証した証拠が、
机に並べられた。








「ば、馬鹿な!
こんなものが何故!?」






もはや、
言い逃れが出来ない
金丸は、
頭がパニックに
なっていた。







「つい今さっき、
警察署の受付の人が、
誰だか分からない人に
これを渡されたそうだ。

その人は
このダンボールだけ
渡して、
どこかへ消えたらしい」






そんな…

一体誰がこんなもの…






「それとこれもな。

お前に
渡してくれだとさ」






渡されたのは
携帯電話。






ピリリ…ピリリ…






手に取る瞬間
くらいだろうか?






タイミング良く、
携帯が鳴りだした。






画面に番号は出ていない。


金丸は携帯を握り、
警察官を見つめた。







警察官は
どうぞ、と
言わんばかりに
手を差し出している。




出てもいいらしい。






「もしもし…」







非通知で来た番号を、

金丸は
恐る恐る出てみた