【やる気になったのは礼子ー3】





今日の話を聞き、
珍しく礼子は
協力する気になっていた

(ほぼ逆恨み)







「さてと…
家に戻ったし
行くかな」








昼間は会社で幽体離脱が
できなかったので、
家に帰ってきてから
ゆっくりと
体から霊体を抜け出した






目指すは
金丸のいるクロレア…







ヤツの目的を探るのが
一番だ。







予め今日の午後に
地図にて
下調べをしていた礼子は

難なく会社の前まで
フワリと到着した。






「ここね…
年間何億も儲けてる
会社にしては、
何か質素だな」







夜の会社。

ただ一つ
電気が点けられている
部屋に、
目が止まった。







「ん……くさい…
くさいゾ!!

悪の匂いがプンプンする」







霊体で
その部屋をすり抜けると

偶然にも朝会議室で見た
金丸社長が1人そこに
居た。







ノートパソコンを開き、
クスクスと
誰もいないのに
笑っている。







「ほえ…?」







何かの
お笑いビデオを見ている
かと思い、
パソコンをのぞき込んで
見ると…







そこには
三光の経理が
示されており、

今の会社の総資産までも
書かれていた。







右の欄には
その資産から
どれだけ金を
絞り取れるか…







するとそこには、
にーまるまるまると
いう数字が見えた。







「にーまるまるまる…?

2000万円!?

コイツやっぱり!!」







するとその声に反応して
金丸は立ち上がった。







「誰だ!!!」







礼子は霊力が強いので
微かに声が聞こえたのだ