【十年前の真実ー3】




何を急に?







このヨボヨボキツネが
副社長?







だって
掃除のおばちゃんの
ハズじゃあ…







「どうやら
1人みたいだね。

入らせてもらうよ」






霊である
三山の存在に気付かない
ヨネさんは
部屋に入ってきた。





目つきが険しい。


いつもの感じと
何かが違っていた。






「礼ちゃんや……
話は聞いたよ…

合併するそうじゃ
ないか…」







「うん…。そうみたい」







すると
いきなりヨネさんは
頭を下げて
礼子にすがりついた。







「スマン!

頼みがあるんじゃ…
あの合併の話…
どうしても断るよう
社長に話してくれ!」







え?いきなり何?







何がどうなってるやら…







「おばあちゃん…
顔上げて…

そこまで言うには
何か理由が
あるんでしょ?

聞かせてくれない?」







それをヨネさんは聞くと
静かに語り始めた。






「そうじゃな…
礼ちゃんには
全て話そう……」







ヨネさんは目をつぶり
脳裏に
十年前の会社を浮かべた