【秘書スタートー19】




ふ~んでもいいや。




この会社は今
経営不振なのだから、
それで流れが良くなれば
言うこと無しだ。







「それなら、
検討する意味
あるんですか?

即決で答えを
出さなかったのは…?」







「うーむ。
実は交換条件を
言われてな…

その答えを聞く為に、
検討する時間を
くれたのだよ」







交換条件…?







「それは、
どんな条件なんですか?」







「相手方の話だと、
合併するなら
その費用として、
2000万円を
クロレアに振り込むと
言う事だ」






に、にせんまん!







礼子にとったら、
よだれが出るような
お金である。






第一、
そんな金が
この会社にないのは、
社長のタヌキが
一番知っているであろう。







「では、
お金はないので、
この話は
流れになるのですか?」







するとタヌキは、
太い首をぶんぶんと
振った。







「バカを言っちゃいかん。

年商50億も稼いでる
会社だぞ?

借金してでも
合併するに決まってる。

問題は金の算出だけ。
金融業にでも
借りるか…」







これは、
凄い事になりそうだ。







この会社が生まれ変わる、

新たなスタートを
切ろうとしていた