【秘書スタートー18】




「さあ行っくわよ~」







こぼれないよう
ゆっくりゆっくりと歩き

会議室まで持って行く。







前まで到着すると
コンコンとノックをした







「失礼しま~す!」






中に入ると
重々しい空気。







すでに会議は
始まってるとみて
いいだろう。







一つ一つ
お茶を差し出す礼子。







秘書を
やっているだけあって、
自然と礼儀が
身に付いていた。







『ハチャメチャな君でも
成長するもんだね』と
オッサンの突っ込みが
聞こえてきそうである。







「――の件につきまして
我々も望んでいること…

是非ご検討を」







礼子が話を聞く前に
金丸とその部下達は
立ち上がり、
颯爽と部屋を出て行った







ん……ん……?

何の話だったんだろ?







「おい君、
送り迎えを
してあげなさい」







タヌキは近くに居た
会社の重役を指差し
命令すると

直ぐに立ち上がり
見送りに行った。







もう会議は
終わったのだろうか?






えらい早いではないか。








今は
緊張の空気が
張り詰めて
なさそうなので、

礼子は社長に
聞いてみることにした。







「社長~?
何の話だったんですか?」







周りの重役がいつも
礼子の口の聞き方に
うるさいから、

この時ばかりは仕方なく
敬語を使っていた。






「フォッフォッフォッ!

実に良い話だよ!

合併さ。

この会社を子会社に
してくれるそうだ」






子会社…?







あのクロレアに
吸収されるって事?