しれっ、とした表情でラグナは進む。
俺も後に続くわけだが。
「そういや、お前の探し物ってネミュレシスの指輪なの?」
先ほど知った事実を彫り上げた。
隠すつもりはないらしく、ラグナは頷いた。
「なに、願い事あんの?」
「ない」
「は?」
「願いを叶える指輪らしいが、俺に叶える願い事はない。ただ単に、俺の魔導書の“解読”に必要なだけだ」
「魔導書って……」
一見したところ、ラグナには持ち物がない。
魔導書なんて本を抱えているわけでもなし。
「……俺のは一般の魔導書とは違う。アフロディーテの魔導書だ」
「なんだ、アフロディーテって」
と、ここに来てラグナの目が見開かれた。


