「そうか。そいつはどこに行ったか分かるか?」
『森の奥に行ったわね。エルフにでも会いに行ったのかしら』
「分かった。教えてもらい、感謝する。コットン行くぞ」
「あー、へいへい」
塗れたままのローブを小脇に抱えて、立ち上がる。
いきなりすぎるとはもう言わない。どうせ、こいつの隣を歩くとは“こんなこと”なんだと理解している。
『え、行っちゃうの……、シュン。……も、もう少しお話、あ、いえ、私と喋れる高貴な時間を過ごすことを許してあげるわよ』
「素直すぎない話のせいで、なに言ってか分かんねえぞ」
睨まれた。
でも、こちらはべっと舌を出して森の奥に行くラグナの隣についた。
奴め、ラグナが近くにいるから水鉄砲できずにいらぁ。
ふるふると妬ましげに見ていて。
『ふ、ふんだっ。この次来たら、水の中に沈めてやるんだからっ!そこの野蛮な人間だけ!』
恐ろしい捨てぜりふを残して、精霊は水の中に沈んでいった。……やべえ、この湖の前通れねえ。


