杖をまたふるう先生は何かを召還しようとしたが、片手で制止させられた。
飛ぶ肢体。
なめらかに壁まで飛び、がたんと椅子に激突した先生。
悲鳴すらも聞こえない、ただ何かを吐いた――赤いものを吐き出した音だけが響いた。
念力でも使ったのか、詠唱なしで人形は先生をふっとばしやがった。
「先生っ!」
椅子に手を置いて立とうとするが、ふるふる震える痛ましい体では無理そうだ。
一人、二人と戦えるものが戦闘不能になる。
残ったのはラグナのみだが――ラグナより強い奴をいったいどうして倒せようか。
手も足も出ない状態に一番歯をかみたいのはラグナかもしれなかった。
でも、手も足も出さないでは気が済まないことが起きた。
「てめえぇ!」
俺だ。
激高した俺が、拳一つで人形に向かう。
馬鹿な行為、ばさりとあざ笑うかのような羽の羽間(はざま)から黒いトゲが数本発射され。


