「アーダー!」
逃げることを召還物にやめさせられていた。
鎖で繋がれたアーダーは目の前の泥人形を威嚇して動かない。
いくらミントが鎖を引こうが槍をもって、その場のかかしとなった。
なんでこんな行動に出たのか。
「アーダー、逃げるんだ」
アーダーの肩を掴むミントがいようとも、鳴きもしない鳥人はただ目の前の泥人形を威嚇していた。
「ミント君もういいわ。忠実すぎるのよ、その子は。忠実すぎて、あなたを“守ることしか考えていない”」
肩を掴むミントの手が緩んだのが目に見て分かった。
守ることしか考えていない。それは逃げる方が得策だろうが、忠実すぎる召還物はミントのために思っているはずだ。
例え、命に代えても。
ミントだけは助けたいと行動した結果がこれだった。
敵に背を向けては主を守れない。でも、鎖が繋がったままだからこそミントも逃げられない。
忠実と混乱と命令無視。全ては目の前の相手が“危険”であるが故の結果だ。


