「じゃあ、俺の首輪が残っているのは……」
「酸素供給は要らなくても、この世界に留まるための軸――支柱になっているのかもねー。
出入り口?あなたを道しるべにしたと彼が言うならば、言い換えるならコットン君は“入り口”だわ。
入り口なら出口にもなる。彼がもといた場所に帰るため、まだ繋がってなきゃいけないんのでしょう。
まあ、彼なら玄関なくても非合法にも窓から出てこの世界(家)から、我が家に帰れると思うけど」
「簡単に帰るにはやはり玄関が必要らしい。この世界に余所者たる俺が弾かれないためにもな。訂正しよう、君はまだ必要だ」
訂正を入れた奴に、椅子を投げつけたくなった。
どこまでもわがまますぎる。でも、必要だと言われたのには嬉しく……とも、やっぱ思えねえ。


