重なり合った体。互いを気遣いながら獣は四本足で大地に立とうと。
【九十六番、翁樹の磔刑】
する前だった。
夜空の王が、大地のモノたちに裁きをほどこしたのは。
天高く、誉れ高くさえも見えた人型から出されたのは――一本の杭だった。
神の槍にも見えたのはそれだけ巨大だったから。
それが重なり合った二体の獣に突き刺さる光景。
腰を、抜かした。
悲鳴を飲み込む恐怖を味わったのは、圧倒的だったから。
げんなりとした黒と白は一色に染まる。
赤色。
体に刺さったぶっとい杭――地面にひびをいれるほどの“天災”に巻き込まれた二匹は一目で戦闘は不能と分かった。
勝者は、勝者らしく。誰からも“恐れられる”。


