そこからは暗転の時間だった。
目がぐるりと半周したみたいな気分の悪さと引き換えに。
「コットン君!」
「あ……、え」
俺は光を取り戻した。
慌てふためく先生と、生徒たち。
なぜか、先生が生徒たちの前に立ち。更に前には赤い騎士が盾を出して俺を見ていた。
「え、みん……な」
なんでそんな遠くにいんだ?は聞く前に知った。
めちゃくちゃだった。
俺中心に台風でも起こったか、石畳の立派な床が廃棄物の山になっている。
パチパチと火柱があがったりして、爆竹でもやったみたいだ。
「コットン君、無事なのっ」
『主、盾(結界)からまだ出ては……!』
制止をする騎士を無視して、先生が俺に近づく。
「ブリュンはそのまま生徒たちを守りなさいっ。いざとなったら逃げて!」


