闇と一体になった。 同化していく、もう指先しかなくて、ここに来て初めて。 “助けて” 喉がないから思うだけだった。 指先分の俺(全神経)。 取り残されたモノはその世界の住人になる――一歩前。 「まったく、弱いな」 蔑む声と共に、冷たい手が俺(指先)に宛てられた。