ぼうと眠そうな目。
でもみんなと同じように手を前に出し、目を瞑る。
先生が「集中して、名前を拾うのよ」とお決まりのことを言って。
「………………」
ぱちり、と彼女は目を開けて召喚を中断してしまった。
みんなだけでなく、先生まで驚く。
「あらあら、もっと根強く探さなきゃ」
「………」
「クリアちゃん?」
「………、私じゃ呼べない」
ぼそりとクリアは何かを言って、出て行ってしまった。
「失敗か」
そんな声が飛ぶ。
笑い声までも。
「やっぱり可笑しな子ー」
「失敗なんて有り得ないよね」
後ろにいる女子の声。
俺はそれに振り返り。
「うっせえぞ。次、俺なんだから。気が散る」
睨みつければ、睨まれるが黙る女子ども。


