「嘘だ」


ラグナを蹴飛ばす。


ただ奴も大したもので俺の蹴りなど、紙みたくひらりとかわしてしまうが。


「可哀想なぐらい震えているな」


「震えてなんかねえよ!」



「まあ、今のうち怖さに慣れればいい。本当の恐怖は殺し合いの渦中にいることだからな。

――話ついでだが、カルヴァリーラウンドの挑戦者は事前に契約書にサインさせられる。色々と下らないことが書いてあったが、『死んでも文句はありません』という紙切れに君の名前を記入しておいた。

事故死として見られるらしく、きちんと保険金も降りる。

やったな。これで、心置きなく戦える」


「俺のいないとこでマジなにやらかしてきたんだよ、おまえはぁぁ!」