「隠し味に魅了魔法(チャーム)を少々」


「おい、こらあぁぁぁ!」


さすがにラグナの背中を叩いた。


でも動じないラグナはそのままでこちらを見向きもしない。



「チャームを使ったと言っても君と離れていたため、それほど“濃度”は濃くない。本当に隠し味程度だよ、大半は俺の実力だ」


「自分の実力をさらりと自慢すんじゃねえよ。ズルじゃねえか、思いっきし!ゴッドファーザーもびっくりだよっ」


「くどいな。だから君と離れていては微力な魔術しか使えていない。――追記の結果だが、よく分かった。やはり俺が本気の魔術を出すためには君が近くに要りようだと」



言いながら、もう限界になってきたかラグナの声が小さくなっていく。