あれだけ、幼なじみのままでいようと決めていた。


ずっと嘘をついていた俺の事を、真っすぐに想うアイツ。


いつも、いつだってアイツはストレートに気持ちを表してくれて…手に入れてしまったからこそ、ますます思うんだ。


“加奈を泣かせたくない”


ただ、それだけ。


加奈が泣く理由が俺のせいだと思い知らされる度に…いつも感じる。


一番簡単そうで一番難しいんだ。



でも俺は。


もう加奈と幼なじみになんて戻れない。



「…頭痛くなってきたっつーの」


そう呟いて、俺は今日の勉強を諦めて窓から外を見た。