ふわりと目の前に現れたそれは、小さい小さい妖精だった。 緑色の服を身に纏い、背には綺麗な羽を付け、はためかせていた。 キラキラと、妖精の周りにオーラの様なものがあるような、ないような。 これは唯の幻覚かもしれないが、とりあえずキラキラしていた。 大きさは、唯の両手のひらに乗るくらいだろうか。 金髪で翡翠の瞳を持つ妖精は、桃色の唇を開き、こう言ってのけた。 「夢の国へ行きましょう。私は貴方を待っていた」