「ごめんね、別れよう」

 人生たいして積み重ねてなんていないあたしだったけど、その一言は衝撃的だった。
 あまりのことに、どさりと鞄が落ちたことにも気づかなかったくらいだ。

 だって、別れる、なんて。

 そんな話をしたことなんて、今まで一度もないじゃない。