「なんで目に見えないものに
踊らされなければいけないんだ!」

男は目覚めた瞬間そう叫んだ。

うららかな春の光が差し込む
気持ちの良い朝。

「呪いに掛けられた俺は
一生苦しみ続ける!」


充血したまぶたをこじ開け
強引にベッドから起き上がる。
すると起き上がった男の鼻から
するするっと垂れ下がる透明の液体。

続いて部屋に響く大音響。
男はものすごい勢いで
くしゃみをし始めた。

「くそ!姿を現せ!
花粉どもめ!
はっくしょん!

ひきょう者め!
くしゃん…くしゃん…」