「……芽衣っ…」
後ろから声がして、ふと振り向くと頼斗がいた。
頼斗はあたしの横に来ると腰をおろす。
「…ここにいたんだ………ごめん、芽衣」
まだ息の荒い頼斗。
きっとあの後、走ってあたしのことを探していたんだろう。
「頼斗はあたしのこと……」
「芽衣?涙……」
頼斗は弱々しい目をして、あたしの涙を拭った。
泣いたらだめなのに…
あたしのバカ。
「頼斗は……あたしのこと、もうスキじゃないの?」
ブサイクな鼻声になりながらも聞く。
頼斗はしばらく黙ると、あたしを優しく抱きしめた。
「好き、大好き。嫌いになんてなるかよ……」
「らい……ッ」
「心配させるような事してごめん」
それからずっと、頼斗はずっとあたしのことを抱きしめていた。

あたし、頼斗が好きなんだ……
これは、魔法のせいなのかな?

2人の間には暖かい光が降り注いでいた。