気がついたら、あたしは真っ暗闇の中にいた。
無数の星と満月が輝いていて、とてもキレイ。
街灯もない辺りを見回すと、そこは見慣れた東公園だった。
ーあたし、いつの間にここに…?
不思議に思っていると月から声がした気がした。
その声は囁くようなとても小さな声で、耳を澄まさないと聞こえない。

「き…うの……に…な…い」

途切れ途切れでもしっかり聞こえた。
「今日の夜ここに来なさい」
だけどその意味はよくわからなかった。
どうしてここに来なくちゃいけないの…?
しばらく考えているとまた空から微かな声がした。
あたしの名前を呼ぶ声…