「梨乃!!」 何度叫んでもあいつは振り向かない。 人が多く、ザワついている空港内。 俺の声が届くには、少し距離が離れてしまっている。 「梨乃!!」 何十回叫んだだろうか? 俺はあいつの姿が見えなくなるまで、人目も気にせず叫び続けていた。