と、ぎぃー……と金属が擦れ合う鈍い音が響いて、すっ…と一筋の光が差し込んだ。 「京束く……」 「残念だね、京束海翔じゃなくて」 …姿を現したのは、私が思っていた人物とは違った。 だけど、私はこの人を知っている。 よーく知っている。 だって、この人は…… 「…瑠璃……?」 「そう、正解だよ」 そう言って、彼女はよく見せる人懐っこい笑みを浮かべた。 「助けに…、きてくれたの?」 私は恐る恐る訊いた。